簡易旋光計の作成 2005.11.16

少人数ゼミナールC2(伊藤芳雄)

自作した偏光板を2枚使って簡単な旋光計を作成し、旋光度を測定する。

使用するもの

偏光板 小1枚(20x20程度)、大1枚(40x40程度)

筒状の箱(ナビスコ チップスターの空き箱)

コルクボーラー、ビニールテープ、ハサミ、マジック、カッターなど

目盛り(今回はPCで作成したが、物差のコピーでもよい。コピーの拡大縮小機能を使って、箱の外周1周が360目盛りとなるように調整する。)

試料管としてサンプル瓶1本(100 ml、底φ40 mm、高さ120 mm

旋光計の作成

  1. 箱の底の中央に直径5 mm程度の丸い穴をあける。(コルクボーラーを使う。)
  2. 箱の蓋の中央に直径30 mm程度の丸い穴をあける。
  3. (ビニールテープの内縁に沿ってカッターで切る。)

  4. 穴のまわりを黒くマジックで塗る。
  5. 箱の内側から偏光板(小)をテープで貼る。
  6. 蓋にも内側からテープで偏光板(大)を貼る。
  7. 箱の外側上部に目盛りを印刷した紙を貼る。
  8. 蓋をして、小さい穴の方から覗き、蓋を回す。最も暗くなるところで回転をとめ、蓋に、目盛りの0にあたるところに線を引く。

旋光度の測定

  1. サンプル瓶に試料を入れ、蓋の上におき、その上から箱をかぶせる。(試料の量は、高さが100 mmになるようにすると後で補正しなくて済む)
  2. 全体を持ち上げて(下から光が入るようにして)、上から覗いて、最も暗くなるところまで箱筒の方を回転させる。
  3. 何度回転したか、目盛りを読む。これが旋光度(α)である。符号も確認すること。
  4. 比旋光度を計算する。[α]=α/lc l:試料管の長さ(dm c:試料の濃度(g/mL

課題

  1. グルコース水溶液の旋光度は時間の経過とともにどのように変化するか調べよ。
  2. 一般にはナトリウムD線という589 nmの波長の光を使って測定するが、今回は自然光で測定した。この違いが測定にどのような影響を及ぼすか考察せよ。
  3. 身の回りで、旋光性をもつものを探し、実際に旋光度を測定してみよう。