《pH電極の使い方》

・050127更新

・ここでは校正の仕方について説明します。
    (WM-22EPの場合)




現在のコンテンツ


1,校正の仕方

2,説明書のコピー

3,Q&A


4,内部液の交換の仕方

クリックすると該当ページへジャンプします。









1,校正の仕方 (スイッチONから校正を始めるまで)

電源を入れてから校正を始めるまでです。


1,電源を入れる。
校正中エラーが出たり、
キー受付ができなくなったときも、
電源を切って最初からやり直すと良いです。



2,pHの校正をするために、キー受付をpH電極側にする。
パネル下部の▲▼を押して、
【CH2】にカーソルが来るようにします。
カーソルが来た状態。



3,前回の校正のデータをクリアする。
6つボタンがあるうちの左真ん中
“CAL/mv SHIFT/RANGE”ボタンをしばらく押すと、
「ピッ ピッ」と二度音がして【CAL】マークが
液晶画面内で点滅します。

【CAL】マーク点滅中に右側下の
“SELECT/CLEAR”を一度押すと
過去の校正データがクリアされます。

(3点校正の場合は校正のデータを
 すべて上書きするので、
 データの校正は必要ありません。)




4,pHの校正を行う。
pHメーターの電極部分が
確実に溶液に浸っていることを確認して、
“CAL/mv SHIFT/RANGE”ボタンを押します。


この時、pH電極のフタを空けます。
(親指がかかっている部分)


しばらくすると「ピッ ピッ」と二度音がして
【CAL】マークが液晶画面内で点滅します。


【CAL】マークが消えると校正完了です。
校正済みのpHが画面下部に表示されます。



(以降はデジカメの電池が切れちゃったので順次補足予定……)




2,(補足)WM-22EPの説明書

説明書のコピーを以下に載せます。






3, Q&A

いままでに送られた質問にお答えします。



・ <pHメータの測定方法>で「3、電極先端のキャップを外す(ゆるやかに)」のあとに、「4、超純水で電極先端をぬらす」入れた方が良いでしょうか。

 超純水を電極先端をかるく洗い、電極部をティッシュで軽くぬぐってください。




・ 緩衝液を入れる小出しボトルは超純水で洗浄(3回洗浄)すると、使い回しができるのでしょうか(同じ種類の緩衝液を入れますが)。

 問題ありません。
 新たに緩衝液を入れるときはボトルの水気を良く切って下さい。




・ ボトルに小出しした緩衝液はボトルに蓋をして冷蔵庫に入れていますが、どのくらい保存が利くのでしょうか(小出しのボトルは測定の1時間前に冷蔵庫から出して室温に戻すようにしています)。小出し前の製品としてのボトルは冷蔵庫に入れていますが、開封後どのくらい保存が利くのでしょうか。また、使用した緩衝液はその> まま廃棄して大丈夫なのでしょうか。

 あまり厳密にチェックしたことはありませんが、小出しボトルは1週間で廃棄してください。ただし、フタを開けなかったものはその限りでありません。 また、河川水測定などで自然水が緩衝液に混入した恐れがある場合は破棄して下さい。 超純水が混入した場合は問題ありません。

 フタをあけて使用すると、大気中のCO2が溶け込んでpHが徐々に下がることを懸念しています。したがって、最善の方法は、(投薬瓶はたくさんありますから)500mLの標準溶液全てを投薬瓶に小分けし、スクリューキャップの部分をビニルテープを2重巻きにして、それを冷蔵庫に保存します。この状態で、少なくとも1年は大丈夫だと思います。

 緩衝液はホウ酸、リン酸、フタル酸とその塩です。したがって、その量にもよりますが、そのまま廃棄して問題ありません。




・ 「5、select→cal(2秒間)の順でボタンを押し、画面のcalの点滅が消えるのを待つ」とありますが、pH9とpH4で同じ操作をした場合、selectは押さなくてよいのでしょうか。この一連の操作でpHメータに表記される各pH値は変わるのでしょうか(自動補正がされるのでしょうか)。申し訳ありませんがpHメータの操作マニュアル(メーカー作成)も送っていただけないでしょうか。

 selectを押す必要はありません。

 マニュアルはこちらにおいているようです。この件については栗崎君に対応をお願いしました。彼から直接連絡があると思います。
(050127補足)説明書はすぐに発送致します。また、該当するページをスキャンしてこのページに置いておりますのでご参照下さい。




・ 温度が上がるとpH値が下がりますが、どうしてでしょうか。

 状況がよく把握できません。どの程度の水温上昇でpH値がいくらからいくらまで変わりますか。雨のpHが5.6よりも高い場合には、部屋の中で測定すると、部屋の中のCO2濃度が外気よりも高いためにCO2が溶け込んでpHが下がることがあります。

 pHメーターの値は、同じ水素イオン濃度であっても、温度により変化します。ガラス電極の電極電位はNernstの式に従います。たの条件が同じであっても、ガラス電極の電位は絶対温度の逆数に比例します。また、pH標準溶液は、温度が変わると平衡状態にすこしずれが起こりpH値が変わります。このような温度変化にともなう電位変化は、電極に組み込まれたサーミスタ温度計で温度をモニターして、その温度に基づいて補正が自動的に行われることになっています。したがって、pHメーターの読みは、今測定している温度条件での水素イオン濃度(正確には水素イオン活量)の値を直接与えることになっています。




・ <雨水の採水>でですが、EC電極は使用前に超純水で洗う必要はないのでしょうか。

 洗った方が良いです。




・採水した液に浮遊物(ゴミ)があったらどうしたらよいのでしょうか。pHは測定し、投薬ビン2本には採水しますが、20リットルタンクにそのまま入れて良いのでしょうか。

投薬瓶2本分に関してはろ過をして下さい。20リットルタンクに関してはろ過をする必要はありません。また、タンクがいっぱいになるようでしたら、タンクを増やしていただけませんか。我々が行った時に、硫酸イオンの回収をして、中を空にします。


以下順次追加予定。質問はこちらまで。




4,内部液の交換の仕方

測定値、校正値がおかしい時に行います。


1,準備
電極と補充溶液を用意します。



2,フタ空け
電極を水平に持って、
ふたを開けます。



3,交換用のスポイトを準備
先の細長いスポイトを準備します。
ガラス製でもいいですが、
内部を傷つけないよう、
プラスチック製のものがおすすめです。


(水で濡れたスポイト、
 あるいは汚れたスポイトを
 使ってはいけません)



4,内部液を吸い出す。
スポイトを穴に差し込み、
電極の先を少し上げて、
中に内部溶液を吸い出します。


中にはガラス製の管や
導線が通っているので
スポイトを穴にぐっと押さえつけては
いけません。


内部液は無害ですので
そのまま流しに捨てても
大丈夫です。



《内部液について》

 内部液はKCl(塩化カリウム)の飽和溶液です。
 塩化カリウムはスポーツドリンクなどに入っているように無毒です。
 そのまま流しに捨ててしまっても問題ありません。

 ただ、ものすごく濃い溶液なので、
 皮膚についたまま放置するとかぶれたりします。
 




5,中をすすぐ。
電極に半分くらい内部液を入れて、
フタを閉めて、
軽く振って中をすすいでください。


スポイトだけでは古い内部液を
全部取り替えることは出来ないので、
新しい内部液で中をすすぎます。


すすぎ後、また内部液をスポイトで
吸い取ります。
このすすぎの操作を2回行います。



6,内部液を補充する。
すすぎ後、新しい内部液を
電極の線より上の所くらいまで入れます。
(写真はちょっと入れすぎ)



7,内部液を補充後……。
内部液を補充直後は、
まだすすぎ切れていない古い内部液(どうしても残ります)と
新しい内部液が完全に混ざっていないため
電極が不安定で、すぐに測定できません。


おおよそ1時間〜1日ほど待ってみてから、
きちんと校正できるかどうか試してみてください。





文責とか:くりさきぃ(九大吉村研)


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